製品導入事例

薄さとゼロ点復帰のスピードが決め手!
ロードセルやフィルムセンサーでも
不可能だった課題を解決。
最先端のパワーアシストスーツにも採用。

神奈川工科大学 創造工学部
ロボット・メカトロニクス学科 山本研究室 様

パワーアシストスーツの足裏にシートセンサーを採用
なめらかな動きと軽量化を実現

人の力を補助するパワーアシストスーツは、ケガや病気、高齢者の方々の歩行の補助やその介護の現場、 さらには重量物を運ぶことの多い製造現場や物流現場で活躍が期待されています。

そんなパワーアシストスーツ研究の第一線で活躍している神奈川工科大学の山本圭治郎教授と シートセンサーが出会ったのは約1年前。下半身のパワーアシスト、より柔らかで滑らかな動きを実現するために 足裏につける最適なセンサを探していた時、偶然見つけたのがシートセンサーでした。 何度か試した後、すぐに採用を決定。一体その決め手は何だったのでしょうか?

足裏につけるセンサーに求められる薄さと軽さ、ゼロ点復帰のスピード、耐久性…
それらすべてを満たすシートセンサー。私が探していたものはこれでした。

これまでのパワーアシストスーツは、ロードセルで大腿筋と上腕筋、腰の筋肉の6カ所に筋肉の硬さを検知し、 その情報から力のアシストを制御していました。でも、着用者が思い通りの動きでより滑らかに動くためには 足裏のセンサが欠かせず、ずっとそこに使えるセンサを探していました。 “厚さ”と”ゼロ点復帰のスピード”が課題でしたが、それらをクリアできたのが マルサン・ネームさんのシートセンサーでした。

薄くて軽い、確実でスピーディーなゼロ点復帰
ロードセル、フィルムセンサーでは不可能だったことができた

通常、自立するロボットの足の裏にはロードセルがついていて重心の制御をしています。 ロボットなら足の中にロードセルを埋め込めばいいのですが、 パワーアシストスーツではそんな訳にはいきません。 ロードセルは精度とゼロ点復帰のスピードは良いのですが、厚みが問題でした。 厚みがあると着用者が歩きづらくなってしまうので、薄さと軽さも重要でした。 その点でロードセルは難しかったですね。

フィルム状のセンサーも試してみましたが、ヒステリシスが大きく、 ゼロ点復帰がなかなか思い通りにいきませんでした。 ゼロ点復帰のスピードが遅いので制御に誤差が生じ、思わぬ事故にもつながりかねず、 残念ながらフィルムセンサーもダメでしたね。

そこでたまたま出会ったのが、マルサンネームさんのシートセンサーでした。 シート状だから薄くて軽い、しかもゼロ点復帰が素早く確実にできる。 私にとってまさに探していたものが見つかったという感じですね。

価格はロードセルの1/5程度

ロードセルに比べて優れているのは、やはり”薄さ”でしょう。 シート状なので薄くて柔らかい、そして軽い。 価格もロードセルの1/5程度で済み、故障も少ないので、足底には最適でした。

採用の決め手になった”ゼロ点復帰のスピード”も満足のいくレベルでした。 ロードセルと同じくアナログ信号を出しているにも関わらず、ゼロ点復帰のスピードが速く、 精度も高かった。これはフィルムセンサーの代替として十分使えるという実感に変わりました。

また、単に力をアシストするだけでなく、対象物の重さが分かるようになったので、 どれくらいのパワーアシストが必要なのか最適なアシスト量が簡単に算出できるようになり、 また、重心の位置や右足や左足へのアシスト量の調節ができ、動きがとてもスムーズになりました。

福祉機器に求められる柔らか・滑らかな感触を実現。
爆発的な普及の予感も

精度をロードセル並みまで引き上げられればもっと爆発的に普及するのではないでしょうか。 理論上はできるはずですし、いまはシートの厚みでそれを調整できているので、 もう少し改善が進むとベターですね。

いまロードセルを使っているものをシートセンサーに置き換えれば、薄くて軽い、柔らかい感触が可能になります。 特に介護現場は人に接するので、柔らかさや滑らかさなど、その感触は非常に大切にしたい。 また、パワーアシストスーツ以外にも、睡眠中の寝返りや枕への圧力の測定など寝具の研究にも期待できそうです。