製品導入事例

多数の要求を、成型品で解決。

総合電器メーカー/ノートパソコン 様

機能、デザイン、低価格を追求して

生活者を対象とした消費財には、さまざまな要素が求められる。機能や性能に優れているだけでなく、デザイン、さらに低価格も必要だ。いまや成熟市場となったパソコンも例外ではない。一部で低価格な商品が支持されているが、市場の主流をなすノートパソコンでは、機能、デザイン、低価格が高次元にバランスした製品が求められている。こうした市場のニーズを強く意識して、メーカーではつねに開発にあたっている。パソコンのメインスイッチといった、小さな部品においても例外ではない。

多数のサンプルをもとに提案

この総合電器メーカーでは、パソコン・ラインナップの主流を担っているノートパソコンの新規モデルを開発していた。より薄くスタイリッシュ、しかも高品位な質感とデザインを追求する中、ひとつの課題に突き当たった。デザイナーが要求する形状と質感、機能を備えた、メインスイッチが見あたらないのだ。取り引きのある部材メーカーに打診したところ、なかなか思うような部品にめぐり会わない。こうした中、マルサンネームの担当者がこの総合電器メーカーから打診を受けた。
マルサンネームの担当者はさっそく、これまでに製造した部品、50点以上をサンプルとして持参。これまで多種のサンプルを提案した部品メーカーは、ほかになかったという。

加工性とデザイン性で、採用決定

その豊富なサンプルの中から、候補としてインモールド成型品によるスイッチが候補に挙げられた。PETフィルムをエンボス加工し、スイッチとして必要となる突起などの部分を射出成形により追加した部品だ。PETフィルムは光の透過性があるほか、デザインに応じて表裏両側から印刷加工することで、一見すると金属のような質感も容易に追加できる。開発者とマルサンネームとで形状とデザインの綿密な打合せが繰り返され、最終的な仕様が決定された。これによって、メインスイッチの部材が決まらず、暗礁に乗り上げていた開発がさらに進展することとなった。

多くのメリットを製品に実現

これまでメインスイッチの形状から、どうしても厚くなりがちだった全体のデザインをさらに薄く仕上げることが可能となった。それだけでなく、高品位な金属部分の仕上げと同様の質感をメインスイッチにも実現でき、全体の質感も向上することができた。さらに、見た目の質感とは裏腹に安価な部材のため、低コスト化にも貢献するなど、マルサンネームの部品は多くのメリットをこの総合電器メーカーにもたらすこととなった。以来、そのメインスイッチは、このパソコン・シリーズの標準的な部品として採用されている。